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03 横浜往復旅行
1998.10.17-19.
「能登」、東武小泉線


 横浜ベイスターズがセ・リーグ優勝した。数年後にこのページを見ると恥ずかしくなる結果になるかも知れないが、とにかくこの年は優勝した。・・・となれば当然、次なるは日本シリーズ。何とこの切符が取れてしまったのである。(父親のおかげだが)しかも願いどおり、私が見に行けるように日曜日に行なわれる第二戦の切符である。場所も横浜スタジアム、絶好の機会だ。

 しかし、この「第二戦の切符」というのがネックであった。土曜日、悪天候により試合は中止となった。通常の試合ならこの日の切符が払い戻しになるわけだが、日本シリーズの第一戦は日曜日に開催されるわけで、私の日曜日であったはずの切符は月曜日になってしまったのだ。何という非運か。

 ここで普通なら休みをとってでも月曜日に行くところだろう。何といっても日本シリーズである。しかも横浜が出るのは生涯初めてだ。しかし私はしがない学生(というか大学院生)であり、非常に厳しい教授の元で研究生活をしている。認められるはずもなく、無断で行けばばれるに間違いなく、だいたい断ろうにもその教授が土曜日に出張で出かけていてどうにもならなかった。不運だった。

 二枚の切符がある。もう一枚は、研究室のOBで横浜ファンの人(ついでに言えば「鉄」でもある)が千葉に住んでいるため、一緒に見に行こうということになっていたのである。連絡をとると、その人はやはり休みをとってでも行きたいという。ごもっともである。そこで私はとにかく行くことにした。行ってその人に切符を渡そう。そして優勝ですごいことになっている横浜の市内の雰囲気だけでも味わってこようと。で、ついでに「鉄」してこようと・・・(爆)

 というわけで、前置きが長くなったが、本来なら日本シリーズ観戦だったが結局ただの横浜往復になってしまった旅行のレポートをお送りする。

金沢 2211−410 高崎

 今回は土曜の夜に出発して月曜の朝に帰ってくる。週休一日の私が横浜へ行くにはこれしかありえない。というわけで急行「能登」で出発した。金沢に住んでもうすぐ6年になるが、これに乗るのは実に初めて。

 駅で某週刊野球雑誌を購入する。普段なら滅多に読まない雑誌だが、今回ばかりは買っておかねばなるまい。これを読みながら夜が更けるのを待ち、消灯にて就寝するつもりだった。

 消灯、まもなく親不知に臨時停車した。何事かと思いきや、強風のために保線区員が到着するのを待って30km/hの徐行運転を始めるという。私は高崎で降りて、始発電車を待たなければならないくらいだから影響はないだろうと思ってすぐ眠りについた。

 目が覚めると上越線との分岐駅として知られる宮内を通過していた。奇しくも席を反転させるという何ともマニアックな夢を見ていたので、今は上越線かと思ったら、次第に明るくなって長岡駅構内へ入っていった。・・・ともかく反対側の席に座り直した。

 どうも列車が止まると目が覚める。その後、小出と浦佐手前でまた臨時停車。気づけばすでに4時をまわっている。そして五日町に臨時停車したとき、突然列車が横に大きく揺れた。どうやらかなりの強風らしい。今回はつくづく運がないなと思う。

 五日町の臨時停車は長かった。しばらくして一人の乗客が車掌を呼び止める。話を聞くと先行の「あけぼの」が空転を起こしている模様。越後湯沢で新幹線への誘導を考えている模様だ。これは珍しいことを体験できるかも知れない。

 しかし越後湯沢では何の案内もないまま停車してしまった。やがて発車して、高崎まで止まらないというアナウンスが入った。しかもその後一眠りして渋川すぎで、新幹線への無賃振り替えをしないことが発覚した。しきりに放送で「お急ぎの方は新幹線を御利用下さい。ただし料金が別にかかります。この列車を御利用いただきますと、上野到着は10時30分頃となります」とアナウンスしている。すでに上野到着時刻を過ぎているのにこの措置はどうだろう。金を払うなら越後湯沢で下ろしてもらって新幹線に乗ればとっくに東京に着いていたわけだし、第一上野が10時半では乗るなと言っているようなものではないか。バカも休み休み言えという感じだったが、私は高崎で降りる予定なので文句をいう資格はない。しかしもう少し乗客の立場になって物事を考えられないものかと思う。

 3時間31分の延着で高崎に到着した。すでに7時半をまわっている。

高崎 804−831 伊勢崎 843−909 太田

 遅れに遅れたが、予定どおり群馬方面に残る未乗線区に乗りに行く。といってもあわよくばと思っていた東武佐野線はともかく、予定していた上毛電鉄や東武桐生線にも乗っている暇がない。乗れるのは東武小泉線だけになる。ともかく前橋から上毛電鉄に乗るところを伊勢崎から太田に出るルートに変更。JR東日本が忌々しくて仕方がない。

 伊勢崎−太田間は埼玉に住んでいたときに一回しか乗っていないので、相当久しぶりであるが、東武のダイヤはそれからちっとも変わっていない。相変わらず本数が少なく、日中は1時間に1本しかない。初めて東武で伊勢崎に来たとき、当時の私は「私鉄は待たずに乗れるもの」と思っていたから、伊勢崎線にショックを覚えた。

 こんなに東京から離れても、東武沿線の駅前の情景はどこか共通している。うまく文章で表現できないが、駅前の風景は鉄道路線が作り上げることが多い。

太田 923−931 東小泉 932−936 西小泉 945−1003 館林

 本数は少ないが各線の接続が良く出来ているのが東武の良いところで、次の小泉線はさすがに14分後だが、一番乗り換え客の少ないところでこの時間だから、かなりのものである。

 切り欠きのホームの小泉線に乗ると、同じ車両をどこの国籍だか分からない人たちが中ほどを占拠していた。電車は発車し、一駅挟んで乗換駅の東小泉に到着。ほどなく西小泉行きがやってくる。外国人一行も乗り換えて、西小泉に着いた。西小泉には更に多数の外国人がたむろしていた。一体何があるのかよくわからないが、群れをなしているところが薄気味悪い。

 町の名前は大泉なのに西小泉と東小泉という駅がある。東小泉は何もなさそうな駅だったが、西小泉は比較的広めの駅前があり、近くを大きな道路が走っていた。太田や妻沼、熊谷方面の東武バスの乗り場もあったが、これはさすがに本数が少なかった。

 小泉線は館林−西小泉間の路線と東小泉−太田間の路線がある。さっき乗った後者はおまけのようなものだと思っていたが、考えてみれば群馬県の中心に向かう方向であった。しかし東京に向かうほうが多いのは、首都圏の常識みたいなもので、館林行きは東小泉で太田行きに乗り換える人はそんなにいなく、むしろ乗る人の方が多く、これからも徐々に混雑してきた。

館林 1011−1126 北千住

 伊勢崎線の無料優等列車は「準急」である。準急は東武動物公園以北各駅停車だが、それでは遠方の人にはひとたまりもないから日光線には「快速」を設定している。こちらはというと「もっとはやい準急」を用意している。時刻表には書いてないが東武路線図には「準急A」と書かれているもので、東武動物公園以北各駅停車の「準急B」に対して、久喜、加須(かぞ)、羽生(はにゅう)、館林、足利市、太田以北各停となっている。この準急に初乗車だ。

 1時間に1本しかない貴重な列車なのでホームには人があふれている。この列車の7分後にはこちらも1時間に1本しかない急行「りょうもう」号が来るのだが、なぜこんなに列車を接近させているのだろう。この二つで30分に1本にしてくれればと思うが。

 日光線の快速はクロスシートだが、こちらは所詮準急なのでロングシートの標準的な通勤車両である。こちらにも快速が欲しいところだ。当然座れるわけもなく、北千住まで立ちんぼである。しかも前述の急行に加須で抜かれる。なぜA準急が抜かれなければならぬのか理解に苦しむ。

 久喜で大量の下車がある。JRに乗り換えて大宮や東京に向かうのである。ここまでは完全に田舎の私鉄を脱しきれていないというしかない。もちろん、私はこのまま東武で北千住まで行った。途中、新たに準急停車駅に加わった新越谷では武蔵野線が風でストップとの情報が流れており、車内アナウンスでは常磐線各駅停車がストップしているとのこと。今日は風の特異日であろうか。

北千住〜人形町〜上大岡〜吉野町〜関内〜吉野町

 横浜へ向かうが、一旦横浜の親戚の家に立ち寄る。となればムリヤリ京浜急行に乗って上大岡から吉野町に向かおうということで、日比谷線で人形町まで行き、都営浅草線から直通の特急で上大岡まで行った。実はこれは定番のコースで、これで何度上野や北千住から京浜急行に乗ったか分からない。もちろん埼玉に住んでいるときの中学生頃の話であるが。

 関内ではすでに待ちあわせた人が来ていた。スタジアムは開門前から熱気にあふれており、雰囲気だけでも味わっておく。横浜駅前の「ハマの大魔神社」にも行ってみた。とにかくやれることはやっておこうという感じだった。街頭テレビでもあればそこで今日の観戦をしてもよかったが、見当たらなかったし、同伴の彼も千葉に戻らなければならないというので、横浜の親戚の家に戻り、テレビで観戦した。横浜で見ているというだけでも気分が少し違う・・・気がする。

 この日はめでたく勝利し、慌てて駅まで走った。今夜の急行「能登」に乗り遅れるわけには行かない。

吉野町〜関内〜上野 2354−652 金沢

 今回ばかりは関内から京浜東北線だ。観戦客がスタジアムから熱気を運んできてくれるに違いない。普段なら避けたい観戦客との同居も、今日ばかりは願うところだ。ただ、これが甲子園帰りの阪神ファンなら電車の中で唄いだすところだが、横浜ファンはおとなしい。はずむ会話を聞くだけにとどまった。

 上野ではすでに「能登」が入線している時間だ。急いでホームに行くと、横浜の帽子をかぶった人が結構いる。この列車は高崎線の終電にもなっているのでまさか金沢に帰るわけではあるまいなと思っていたが、翌朝、金沢駅のホームでも横浜の帽子をかぶった親子連れがいた。おそらく土曜の夜に観戦して、日曜に帰ってくる公算だったのだろう。この人たちにしても苦労を背負ったわけだが、安心して下さい。ここには見もしないのに横浜に行ったバカがいるのだから。

完乗記録

東武小泉線 館林〜西小泉間
同線 東小泉〜太田間